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集団での討議の危険性

2022年09月05日

集団での討議の危険性

 

~集団で討議すると極端な方向に決定がずれてしまう~

 

 

 

「集団分極化」という集団心理

 

例をあげてみよう

友人との間で結婚式について話をしていた時に、

はじめは

「結婚式は挙げても挙げなくてもよい」

と考えていたのに、討議する中で

「結婚式は挙げなければならない」

という極端な方向に変化をしてしまう現象に出会ったことは

ありませんか?

上記は、例で、討議の内容がまるで真逆の考え方や

正反対の方向性に変わったこと、ありませんか?

 

 

 

私たち人間は、

集団で討議することにより、個人の意見が極端な方向に

推移する傾向を持っています。

これは専門用語で「集団分極化」と呼ばれ、

多くの心理学者が研究対象としている集団心理傾向のひとつです。

 

この  集団分極化 は、

極端にリスクが高い方向に推移する「リスキー・シフト」と、

極端に保守的な方向に推移する「コーシャス・シフト」という

2つの種類があります。

 

以下に、この2つの集団心理傾向を理解し易いよう まとめました。

 

 

 

「リスキー・シフト」と「コーシャス・シフト」

 

集団討議を行うことにより、危険な選択肢を選びやすくなる

「リスキー・シフト」 は、非常に危険な現象です。

 

有名な話では、

1986年、

スペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げ直後に爆発炎上し、

乗員全員が命を落とした事件も、

リスキー・シフトと集団思考が影響を与えたといわれています。

 

一方、

集団討議でより慎重な方向に決定がズレる

「コーシャス・シフト」 は、リスクは非情に少なくなりますが、

過剰に保守的な思考に偏るため、身動きがとりにくくなったり、

根本にあったはずの論点がズレるなどの問題が生じてきます。

 

 

 

集団分極化は、会社や学校などの大きな集団だけで生じるものではなく、

3~4人の井戸端会議などでも生じる集団心理です。

あなた自身の日常生活場面を思い起こし、

知らず、知らずのうちに集団分極化が起こっていないか?

振り返ってみるのもよいでしょう。

 

 

これらを防ぐ方法は、ありません。

 

ひとつ言えることは、

自分自身が、例えば井戸端会議をしていても、

井戸端会議をしている自分を冷静に見て判断できる

言わば、「第三者目線の自分が居るか、居ないか」であると

考えられます。

そして、話を元の論点に戻せるか?が課題になってきますね。

 

 

多くの人は、話に夢中でリスキーなのかコーシャスなのか

会議中での判断は難しいでしょう。

 

 

帰って、何気なく「井戸端会議の話を思いだして」

最初の論点からかけ離れた話題になっていれば

コーシャス・シフトされていたということになります。

 

 

たまには、こんな事を考えてみるのも良いのかも知れませんね。

 

 

 

では、今日はこれにて失礼します。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室    代表     杉野 茂広

 

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