2022年03月13日
息が苦しい!過呼吸の正しい対処法とは?
ストレスや不安から息苦しさがおこり、それがさらに不安を強めて過呼吸に発展し、しびれやめまいなど様々な症状がおきてしまう。そんな過呼吸をくり返す状態を
『過換気症候群』
と呼びます。
『過呼吸症候群』とよばれることもあります。
過呼吸がおきれば「このまま死んでしまうのではないか」とまでの恐怖に襲われ、
周りの人も慌てふためいて、救急車を呼ぶことも少なくありません。
ですが、不安からくる過呼吸は時間がたつと自然と落ち着いてきますので、
あわてず対処することが大切です。
と、余裕で説明していますが、実は私も経験者の一人です。
本音を言うと、
「本当に、このまま死んでくのではないか?
という強い恐怖心と、
何事?と思える意外性から更に恐怖感が強くなります」
「過呼吸・過換気症候群」を理解しておくことが大切
過呼吸・過換気症候群は、
多くの場合精神的ストレス・突然の恐怖や強い不安などが原因です。
あくまで症状は一時的で、精神的なものからおこっている。
ということを理解しておくことが大切です。
しかし、そうは言っても突発的に襲ってくるのが、この病気の質の悪い部分です。
ですが、何回か発作を繰り返している内に、
自然と「もうすぐ発作が来る」と
予測出来る方もみえます。
私も、「予測可能型」でした。
しかし、何が原因でこの発作が起こるのか?
どのタイミングで来るのか?
そして、またあの言い知れぬ「恐怖感を味わうのか?」という緊急事態に襲われます。
唯一、防止策として考えられるのが以下内容です。
· 気持ちを落ち着かせること
· 呼吸を整えること を意識しましょう。
とは、分かっていても、恐怖感が先行して「どうしよう、どうしよう!」と構えてしまいます。
ただし、過呼吸は身体の病気からおこることもあります。
· 初めて過呼吸がおこったとき
· 持病がある方・高齢の方
などの場合は病院を受診し、過呼吸の原因が身体にないかをきちんと調べてもらうことが大切です。
しかし、精神的なものが起因していると身体症状やいくら、どの様な検査を受けても異常なしとされ、「異常があるから、こうなったんだよな? でも、どこも悪くないって
どういうことよ!」 と疑心暗鬼になります。
私の場合、入院して多くの検査を受けましたが全く異常なしでした。
だったら、なんで「あんなに怖い思いするんだ!」と違う病院を幾つか訪ねた記憶があります。
しかし、精神科は「思いもよりませんでした」
過呼・過換気症候群の正しい対処法
精神的なものが原因の過呼吸・過換気症候群では、
気持ちを落ち着かせること
呼吸を整えること の2点を意識することが重要です。
では、具体的にどのような対処をすればいいのでしょうか?
1. 会話する・アメをなめる(注意をそらす)
2. うつぶせに寝る・座って前かがみになる
3. ゆっくり息を吐く
4. 頓服(とんぷく)薬をのむ
5. 焦らずに落ち着くのを待つ
③ゆっくり息を吐く
過呼吸発作は、呼吸の回数が増え過ぎておこります。
呼吸がゆったりと落ちつけば、自然とよくなっていきます。
呼吸を落ちつかせるためには、
· 吸うより吐く方を意識すること
が大切です。
過呼吸の時は、苦しいので「息を吸わないと」という気持ちが強くなってしまい、息を吸うのは一瞬なのでどんどんと回数が増えてしまうのです。
ですので、過呼吸のときは、
息を吐く方に意識を切り替え、
ゆっくりと吐き出すようにしてください。
過換気症候群による過呼吸は、精神的ストレスが原因となって生じています。
ですから、
気持ちを落ち着ける抗不安薬を頓服(とんぷく=症状があるときだけ使うお薬)として服用するのも一つの方法です。
これは過呼吸になってからではなく、なりそうな不安を感じたときの予防的な対処法です。(あくまでも、予測可能なタイプに限る)
⑤焦らずに落ち着くのを待つ
「過呼吸は、しばらくすると自然と落ち着いていきます。後遺症などもないので、焦らずに落ち着いて待ちましょう。」
とDrは言いますが、私からしてみても、過換気症候群を経験なさった方は、
御理解頂けると思いますが、「一刻も早く何とかしくれ!」と、思える
ほど、強烈な恐怖です=死んでしまうのではないかと本気で思えますよ。
ほとんどの場合、過呼吸による過換気症候群は、
· 15分~30分くらいで落ち着きます。
この15分~30分と言う時間が、医師の緊急性を喪失させているのかもしれませんね。
しかし、パニック障害の場合は、1時間以内も続く場合もあるのです。
過呼吸と周囲の方の対処法
突然誰かが過呼吸になってしまうと、周囲の方もかなり慌ててしまうと思います。とくに、家族や友人に過呼吸・過換気症候群の傾向があるときは、その接し方を頭に入れておきましょう。
1. まずは冷静に
2. 話しかけて安心させる
3. 落ち着いたところに移動する
どういう訳か、私は過換気症候群のクライアントさんと巡り合う機会が多く
上記の1~3は、誰にも教わることなく、やってのけていました。
過換気症候群による過呼吸は、苦手な状況がきっかけになっていることがあります。
それはパニック障害です。
広場恐怖症との関わりが」強いです。
· 逃げ場がない状況
· 助けが得られない状況
· 電車やバスなどの公共機関
· 歯医者や美容院
· 人込みの中 などで不安が高まります。
閉塞感のない落ち着いたところに移動してあげることで、不安が落ち着くこともあります。
過呼吸がおこるメカニズム
強い恐怖や不安などのストレスがかかると、呼吸が浅くなって息苦しくなります。
すると、「もっとたくさん空気を吸わなければ」という焦りがおこり、
無意識のうちに息を吸おうとして呼吸数が増えていきます。
しかし、
この息苦しさは酸素が足りないわけではなく、恐怖や不安によるもの
です。ですから、いくら呼吸数を増やしても息苦しさは改善はせず、さらに焦って呼吸が速くなる悪循環におちいっていしまいます。
呼吸が速くなってくると、肺では過換気状態になります。
身体から過剰な二酸化炭素が空気に逃げていき、血液が酸性なのに対し二酸化炭素の欠乏によって血中の酸性濃度が下がりアルカリ性が多くを占める様にな結果正常なにバランスが崩れていきます。
その状態では、身体は酸素がたくさんある状態なのだと勘違いしてしまい、
血管を収縮させて血流を低下させます。
そして、脳血流が低下すれば、
· めまい
· ふらつき
· 頭痛
などが生じます。心臓の血流が低下すれば、
· 動悸
· 胸痛 がおこります。
さらには、神経の働きに重要な役割のあるカルシウムイオンのバランスが崩れ、
· 手足がしびれる
· 筋肉が痙攣する などの状態にまでなってしまったりします。
精神的なものからくる過呼吸でおこるこれらの身体症状は、
· 恐怖で呼吸が速くなっていることが原因
です。そのため、安心感を与えて呼吸を整えていけば、自然と症状は落ち着いてくるのです。
ペーパーバック(紙袋)法のリスク
昔は、過呼吸と言えば、口に紙袋をあてて中で呼吸させる
ペーパーバック法がよく知られていました。
そのイメージを今でも持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、
現在ではむしろ間違った対処法とされています。
ペーパーバック法は、自分が吐いた息を再び吸うことで、過換気で逃げた二酸化炭素を増やし、症状を落ち着かせると考えられて実践されてきました。
たしかに、この方法をすることで、血液のバランスは整って症状は多少軽減されるかもしれません。それによって気持ちが落ち着いてくる方もいるかと思います。
しかし今は反対意見が多く推奨されていません、
· 紙袋をあてて呼吸することの圧迫感で、ますます不安が高まってしまう
方もいます。それだけならまだよいのですが、このペーパーバック法には
· 酸素がうまく脳にいかなくなってしまうリスクがある
· 身体の病気が原因の時に、致命的になることがある
という大きな2つのデメリットもあります。
紙袋で呼吸をした状態で過呼吸が続いていれば、だんだん紙袋内での酸素濃度が低下し、本当に酸素が足りなくなってしまうリスクもあるのです。死亡例も報告されています。
また、万が一身体の病気が原因で過呼吸が起こっている時は、過呼吸によってバランスをとっていることもあります。それが崩れてしまうと致命的になってしまうこともあるのです。
過換気症候群による過呼吸は、しばらく時間がたてば落ち着いていきます。リスクのともなうペーパーバック法は行うべきではないというのが、今の主流となっています。
身体に原因が無いかを調べることも大切!
過呼吸は、多くの場合はストレスが原因の『過換気症候群』と呼ばれるものでおこります。
しかし、上記でもお伝えした通り、中には身体の原因によっておこることもありますので、
· 過呼吸が初めて
· 何らかの持病がある方・高齢の方
· 普段とは違う感じがするとき
などのときは、救急科や内科でその原因を調べてもらいましょう。
過呼吸がおこる可能性がある身体の病気には、以下のようなものが考えられます。
· 呼吸器疾患(肺炎・喘息・COPD・気胸・肺血栓塞栓症・肺水腫など)
· 心疾患(心不全)
· 糖尿病(糖尿病ケトアシドーシス)
· 甲状腺機能亢進症
· 脳腫瘍
このような身体の異常が認められなければ、ストレスが原因の『過換気症候群』と診断されます。パニック障害に合併することが多いですが、そればかりではありません。
根本に精神疾患があるときは、そちらの治療をしっかり受けることが大切です。
”以前は紙袋を使ったペーパーバック法(紙袋を口にあてて呼吸する方法)が一般的に知られていましたが、現在では推奨されていません。
紙袋が本人の呼吸困難感をあおってしまうこともありますし、酸素がいかなくなるなどのリスクもあります。”
リスクも重要ですが、いち早く、発作からの症状を戻す際には、
私個人に意見では、やはり「ペーパーバック法」を取り入れます。
上記ではリスクとして、
· 酸素がうまく脳にいかなくなってしまうリスクがある
· 身体の病気が原因の時に、致命的になることがある
という大きな2つのデメリットがあげられていましたが、
傍に付き添い、ペーパーに小さな穴を開けて酸素の侵入も可能にする、
何も、二酸化炭素だけを吸わせる気は毛頭ないです。
これらを、理解している方は、ペーパーバック法でも十分可能だと判断します。
患者は、恐怖と闘っているのです。
「過換気なら15分~30分、死ぬことはないとしても、あの恐怖は15分が、その何倍にも感じられます、それらを我慢させるようなことは私は出来ません」
即効性のある対処法を私は選びます。
過換気症候群・パニック障害で発作経験のある方なら、
私の言っていることも理解して頂けるかと思いますが、
私のやり方で行うには、「勿論、発作を起こしている人の承諾は得ます」
「Drって、リスクを怖がっている部分が大きいんですよね、
だからと言って、カウンセラーがリスクが少ないとは言い切れません。
ただ、苦しんでいる人を前に15分~30分も掛かるのであれば即効性のある
ペーパーバック法を用いる勇気も必要であると思います」
本日も長文になりましたが、最後までありがとうございました。
少し、温かくなってきましたが、今度は花粉症に悩まされる方が増える時期ですね。
皆様、花粉対策も怠らないようにしてください。
では、今日はこの辺で失礼します。
心を和らげる相談室 HEART 代表 杉野 茂広
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