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アルコール依存症の私に黙って行動で教える同級生

2022年03月11日

アルコール依存症の私に黙って行動で教える同級生

 

アルコール依存症と診断され、入退院を繰り返す私に最初の頃は多くの友人・知人

が、見舞いと言う名目で会いに来てくれた。

 

最初の頃は、精神病院という場所の「物珍しさ」もあったのだと思うし、

純粋に見舞いに来てくれた事が嬉しかった。

 

しかし、その中の多くは「飲み友達」であった。

その中には幼馴染も同級生も含まれていた。

 

今、考えると非常に失礼ではあるが、

「自分が酒を断たなければならない状態」である以上、

そんな連中とは距離を置きたかった。

 

そういう理由で、私は誰にも告げず、初めて携帯番号を変更し、

電話帳からも多くの人の番号、アドレスが削除された。

私の苦肉の策である。

 

それでも入院先へ面会といい、やって来る者もいたことも事実です。

 

「お前、電話番号、変えた?」 と、多くの飲み友達から言われたが、

正直に「悪い、一度、交友関係を清算したくてな」と伝えた事もあった。

 

ある者は、それっきり。

私は、自分の中で判断し「酒の付き合いなし」でやっていける人物だけを再登録した。

 

やはり、「金の切れ目が・・・・」ではないが、

「酒の切れ目で、多くの人物は私から去った」

 

 

寂しいが仕方ない! と、自分に言い聞かせていた。

 

じゃないと、いつまで経っても酒を止められない気がしていた。

本当は、自分次第なのに・・・・。

 

 

そのうちに、誰も見舞いには、来なくなった。

 ある同級生からは、「お前、もう酒をやめろさ! 俺も一緒に止めるで」

と、言う者も居たが、今では、そいつの方が「手が震えている」 

 

 その時にも言った「俺に無理なもの、お前にゃもっと無理やわ」って。

「俺は、止めないといけないの! お前は、俺の代わりに好きなだけ飲んでくれ」と

吐いた言葉が悔やまれる。 

 

 ブラックアウトの回でも、お伝えした通り「手の震え」は、

完全に「アルコール依存症の入り口です」

あいつを、入り口に誘ってしまったのは私なのかも知れません。 

 

 

 

 

 

 

だが、一人だけ!

たった一人だけ、最初から最後(現在に至る)まで、私に模範を示してくれた

同級生が居た!

 

彼は、親の代から「居酒屋・民宿」を経営している人の次男で小学生からの

幼馴染であり、同級生。

 

今は、二代目として店を切り盛りしている。

 

そいつが、仕入れや仕込みの合間をぬって、時々、顔を見せに来るようになった。

 

”何もかも知ってるくせに、「何も知らないふりをして・・・」”

 

 

入院中も、持ち前の

「愛嬌で看護師とコミュニケーションを取り、信頼と信用を得て行った」

だから、私は入院中に買い物に行く時は、この同級生と一緒ならと容易に外出を

認めてもらえたし送迎までしてもらってました。

 

 

買い物に行くと、洗剤とか、日常生活で必要な物を買いますが、

「買い物かご」は、私には絶対に持たせない!

必ず、持ってくれる。

 

 

 

実はこれには「訳があるんです」

 

 

私は、「アルコール依存症」、何度か缶ビールやら缶チューハイをかごに入れました。

でも、放ったらかし、「見て見ぬふりです」

 

 

 

 

一通り、買い物を終えてレジに行く前になると、

「ちょっと、待って」といい、

また売り場に戻るのです。

 

 

「なんやねん」と、後を付いていくと、

先ほど、かごに入れたアルコール類は、全て元のあった場所に丁寧に戻して

「ほな、レジ行こか!」

と、黙ってレジに行くのです。

 

そして、会計を済ませクルマに戻り、病院へ帰る。

 

病院までの、道中も「さっきの酒のことには一切触れず、ガキの頃の話や何気ない会話をさりげなく振って来ます」

 

 

そして、またある日「刺身」などを差し入れにもってくる。

 

「お~い! これ喰っといて~」って。

ただ、それだけの為に。

 

 

 

コイツ!(いい意味でね)

 

 

 

 

他の者なら、

買い物かごに入れた時点で「コラ―! あかんやろ」

言うであろうが、

 

 

二代目だけは違った。

 

 

 

私が、コンビニで同じことをしてもまた、”冷蔵庫を開けて前に滑り出してきている

酒を片手で押し戻し、もう片方の手で、元の位置に返す“

 

この行為を、面白がって見ていた訳じゃありませんよ。

 

コイツ、凄いな。

 

「俺みたいな奴を相手に、対等に接してくれている」 

 と、感激と感謝も当然ながら、

黙って全ての事をこなし、何も言わない態度。

 

 

コイツの為にも、もっともっと真剣にアルコールと向き合わなアカン!

と、思わせてくれた最初で最後の同級生でした。

 

アイツには、感謝しかありません。

 

アイツが居なかったら、恐らくもう墓場にいることでしょう。

 

親・兄弟よりも真剣に俺のことを考えてくれて、

ただ、取り上げることしかしない他の者とは違い自らが規範を示すことで、

私に、暗黙のアプローチをかける。

「したら、アカンでぇ」・「飲んだらアカンでぇ~」って。

 

 

 

ありがとう!

今、生きてられるのも、酒を止められたのも

お前が「行動で教えてくれたお陰で、今の俺は生きている」と思っている。

THANK YOU な。

 

何時かDrに言われたよ。

「お前、あの友達がおらんだら、とっくに死んどるぞ」って。

 

今度、お前に何かあった時は、俺が必ず助けるから・・・・。

 

 

人は、それぞれ価値観も違えば、例えも違います。

そのツボを心得ての行動だと思います。

この同級生は、私の性格や心を良く知り尽くしています、

残念ながら、我が家の誰よりも上です。

 

私には、

こんな素晴らしい同級生が居るんです!

 

今夜はこの辺で失礼します。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室 HEART   代表  杉野 茂広

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