アルコール依存症者への家族のサポート | 三重県でアルコール依存症をはじめとした悩み相談を受け付けております

ブログ

  1. 三重でアルコール依存症の相談をするなら【心を和らげる相談室 HEART】トップ
  2. ブログ
  3. アルコール依存症者への家族のサポート

アルコール依存症者への家族のサポート

2022年03月09日

最初に言いたい事があります。

馬鹿か?と思われるかも知れませんが、事実なので堂々と書き込みます。

 

 

「賢くなければアルコール依存症者にはなれない」

「アルコール依存症者は、真面目で賢い」

 

今回は、「アルコール依存症者に対する家族のサポート」 と、

我が家の場合の「我が家のサポート方法」とを紹介していきます。

 

アルコール依存症は、「否認の病気である」と言うことは、

前回のブログで書かせて頂きました。

 

これからは、その否認を認めた部分から始めたいと思います。

 

 

多くのアルコール依存症者を抱えている家族は、

「どうして、お酒が止められないのだろう?」と悩んでいるはずです。

 

 

一番の理由は、既に中毒患者であるという点です。

 

・本人の欲求とは裏腹に、身体が求めてくるという点。

 

・欲求を我慢すると、アルコールの離脱症状が発症します。

 (手の震え・異常な発汗・アルコール性てんかん・幻聴・幻覚など、個人差あり)

 

・離脱症状の恐怖と欲求の二つの恐怖から、再飲酒を始めることが多い。

 

 

家族(周囲)のサポート

よく御家族の方から、「どうやって、お酒を調達しているのかもわからない」と

言われます・・・・

アルコール依存症者は、何としても「飲酒をしようと必死で考えています」

 

買ってきた「酒を何処に隠すか、家族にバレずどの様に飲酒をするか」などです。

 

多くの方は「クルマのトランクルーム」・「カーテンの後ろ」・「押し入れ」などに隠し

また、購入も単体ではなく「ケース・箱単位」での購入が多いです。

一度に、多く運べるのが依存症者にとって利点です。

 

あと、缶での飲料は、開封時に「プシュ」と音がするのでなるべく音を立てないよう

ゆっくり開ける必要があります。

それらを、布団の中などで音が聞こえない様に、

工夫して空ける方法も考えて行動しています。

 

そのほかにも、中身の差し替え、

・コーラの中にウイスキーを混ぜる。

・水のペットボトル容器の中身を焼酎に差し替えるなど

手口は様々です。

 

「そこまでするの?」 と、聞こえてきそうですが・・・

「やります!」  依存症者も必死ですから何とか工夫します!

 

抗酒剤を飲んでいる患者様も見えるでしょう。

抗酒剤を飲んでいても飲める方法はいくらでもあります。

「抗酒剤は、必ず家族の前で飲んでください」と、

必ず医師から指示があると思いますが・・・・

抗酒剤を飲ませたからと言って、安心していてはいけません。

 

アルコール依存症者は、常にその1歩、2歩先を考えています。

侮らないことが必要です。

 

 

もっとたくさんのことを挙げられますが、

罹患者の人権、医師の権限など複雑な事情があるのでこれ以上の事は、

ここでは、無理です。

 

以上は、

元アルコール依存症者の私の意見ですから間違いありません。

 

 

 

では、家族が出来ることとは何でしょう? それが以下です。

 

家族ができる治療的行動について

 

1 正しい知識を持つ

病気としての正しい知識を持つことで、

目の前で起こる出来事(飲酒問題)に

冷静に対応出来るようになります。

家族会や病院の家族教室などに積極的に参加しましょう。

 

 

2 無力を知る

 アルコール依存症者の飲酒は、

家族や周囲の人の力で止めさせることは出来ません。

コントロール障害があるので、酒量を減らすことも不可能です。

家族も本人同様「酒に対し無力」であること、

これが正しい対応の出発点になります。

 

 

3 酒と闘わない

本人が酒を買いに行こうとしても、隠し酒を見つけても、

それと闘わないことです。

なぜならアルコール依存症者はどんな方法を使っても

酒を手に入れることが出来るからです。

それがこの病気の症状(コントロール障害)なのです。

目の前の酒を捨てることは何の解決にもならず、

本人の飲酒の限界(=直面化)を遅らせ病気を進行させます。

 

 

4 後始末をしない

アルコール依存症者は「飲酒コントロール障害」のために、

自らの飲酒に限界がくるものです。

しかし、周囲の人が後始末(酔っていた時の痕跡をなくす)をすることで、

酒害との直面化が遅れていきます。危険な状況でないかぎり、

飲酒が原因で起こしたことは本人に返していくようにしましょう。

 

 

5 飲酒を責めない、言葉の脅しを使わない

本人に持ってもらいたいのは

「これ以上飲み続けたら危ない」「なんとかしなければ…」という認識です。

しかし、周囲の叱責が飲酒問題の直面化を遅らせてしまう場合があります。

「お前がうるさいから苛々して飲むんだ」と、

自分の飲酒問題が他者との関係性にすり替わり、

自尊心を守ろうと否認が深まっていきます。

また、「今度飲んだら離婚する」等の言葉の脅しも、軽はずみに使わないようにしましょう。

言葉の重みが失われます。口に出したことは実行し、

実行できないことを口にすることはやめましょう。

叱責や脅しでは、依存症者の飲酒は止まりません。

 

 

6 仲間に支えてもらう

アルコール依存症は「巻き込みの病」です。

飲酒中の依存症者と接すると、家族も心のバランスが崩れていきます。

病院や保健所などのサポートだけでなく、同じ問題を克服された家族会の方の支えを得ましょう。

ご家族の出席が、本人の気づきを早めます。

 

 

家族が出来ることは上記の1~6くらいのものです。

 

残りは、本人次第の部分が大きく関与してきますので、

余程でない限り、長期戦となることは必至です。

 

仮に、即、入院となった場合でも、退院してくれば、当事者には「再飲酒」との闘いが

待っています。

何度スリップしても、

何度、入退院しても見捨てることなく

「家族の一員」として接して下さい。

 

 

 

 

 

 

 では、

当時の我が家の対応はどうだったのでしょうか?

とんでもないくらい「恥ずかしいのですが、公表します」

 

それが、以下です。

 

1 正しい知識を持つ

全く冷静な態度ではなかったです。 

もう完全に全員がアルコール依存症という病名に飲まれていましたね。  

オタオタする両親、医師に噛みつく息子。 

 

 離婚後、アルコール依存症と鬱病に罹患した私と「離婚」と言う現実が

受け止められる状態ではなかったように思えます。   

即刻、入院となってから以降は、退院後も親父は真面に口も聞いてくれず、

お前みたな奴は俺の息子じゃないって態度でしたし、何度も入退院しましたが、

親父が一度も見舞いに来たことはなかったです。

 

 

2 無力を知る

「酒に対し無力」という理解ではなかったです。

親父には散々、説教されましたし、殴られ、蹴られ、

包丁を突き付けられたりもしました。 

その時の親父の口癖は「酒はキチ〇イ水」って言うやろが!

「なんで、止められやん‼」・「意志が弱いでやろが‼」ばかりでしたね。

自分の知っている事しか並べ立てず、

自分の物差しでしか人を測ることしか出来ない人間だったのだと思います。(今、少し泣けてきました)

今、考えると可哀想な人間だったなと思います。

中毒患者になった人物を相手に、昔ながらの考えで対抗する貴重な人でした。

 

3 酒と闘わない

「本人が酒を買いに行こうとしても、隠し酒を見つけても、それと闘わないことです。」

なんてことは一切なかったですね。

何としても阻止する体制を万全に布いてましたクルマのキーを隠され、

スペアキーで出掛けると次の日には、タイヤを全てパンクさせてありました。

そんなことしても無駄なのです。

なぜならアルコール依存症者はどんな方法を使っても酒を手に入れることが出来るからです。

という理解が全く出来てなかったです。 

目の前の酒を捨てることも毎回でした。

結局は何の解決にもならず、本人の飲酒の限界(=直面化)を遅らせ病気を進行させたことになります。

 

4 後始末をしない

アルコール依存症者は「飲酒コントロール障害」のために、自らの飲酒に限界がくるものです。

しかし、周囲の人が後始末(酔っていた時の痕跡をなくす)をすることで、酒害との直面化が遅れていきます。

危険な状況でないかぎり、飲酒が原因で起こしたことは本人に返していくようにしましょう。

→干渉し過ぎなんですよね。 私が後始末をすると余計にややこしくなるとでも思っていたのでしょう。

 

 

5 飲酒を責めない、言葉の脅しを使わない

本人に持ってもらいたいのは「これ以上飲み続けたら危ない」「なんとかしなければ…」という認識です。

しかし、周囲の叱責が飲酒問題の直面化を遅らせてしまう場合があります。

「お前がうるさいから苛々して飲むんだ」と、

自分の飲酒問題が他者との関係性にすり替わり、自尊心を守ろうと否認が深まっていきます。

 

「今度飲んだら勘当する」等の言葉の脅しも、毎回受けていました。

するなら、サッサとしろよ! こんな居心地の悪い家に居たくないわ!と揉めることも多くなりました。 

親父の軽はずみな言葉とは裏腹に言葉の重みが失われていく、それを聞いて狼狽える母。 

 

叱責や脅しでは、依存症者の飲酒は止まないことは事実です。

 

 

6 仲間に支えてもらう

アルコール依存症は「巻き込みの病」です。

飲酒中の依存症者と接すると、家族も心のバランスが崩れていきます。  

入院中、病院から毎週「断酒会に行く事がありました、今はもう抜けていますが仕事の都合上行けなくなったのが理由です。

 私は、自分なりに考える時間が欲しくて最後の入院は結果的に1年以上もの間、入院生活をして、外勤をして軌道に乗って来てところで退院として現在に至っています。

外勤場所を探すことにも、親父や母が毎回、しゃしゃり出て来て難航しましたが、

結果的には郵便外務員アルバイトから始め、正社員まで登り詰めましたが、

次なる試練の「腰椎椎間板ヘルニア」で退職を余儀なくされました。

 

 

この様に、医師の推奨する

「家族ができる治療的行動について」

 

「一般的な家庭・家族ができる治療的行動」1~6  と、

「我が家での家族ができる治療的行動」1~6では、

全く異なる、

真逆の事をやっていることが証明できました。

 

 

では、どの様に、私は20年以上前に

アルコール依存症を克服したのでしょうか?

 

 

その答えは、ココには書き込むことが出来ません。

私自身の宝であり、

カウンセラーとしての伝家の宝刀にも等しい

私独自の手法ですから教えることは出来ません。

ただ、言えることは、私に限らず誰にでも出来ることです。

 

 

 

今となっては、良い経験をした。

お陰でカウンセラーの資格取得という目的も達成し、

それなりにクライアントもついてくれている。

 

感謝すべきは、浮気をした元嫁、なのかDrなのか、両親なのか、看護師なのか

それとも自分自身なのか?

 

解からないが、今を懸命に生き、誰かのサポートが出来る喜びと、

クライアントが良くなった喜びを共有出来ることが、

一番の幸せと捉え日々精進しています。

 

 

”ゆっくり、焦らず、精一杯に” をモットーにして・・・

 

 

長文、ありがとうございました。

アルコール依存症者の一般的なパターンと

異常な家族のパターンを紹介させて頂きました。

では、本日はこれにて失礼します。

読んでくださりお疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室 HEART   代表   杉野 茂広

PAGE BACK

ページの先頭へ

メールで今すぐ相談する