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アルコール依存症

2022年03月06日

アルコール依存症

 

A)      アルコール依存症とは

 

習慣的な飲酒から依存症への移行には、

遺伝体質・環境・心理的要因 などの背景因子も影響する

 

多くは以下の様な推移を辿る。

 

1・毎日飲むようになる。

2・1回の飲酒量が増える。

3・緊張をほぐしたり、寝付くために酒の力を必要とする。

4・周囲が飲み過ぎを心配するようになる。

5・飲酒に後ろめたさを感じ、一人で飲んだり隠れて飲むようになる。

6・アルコールが切れたときに、イライラ感、発汗、微熱、不快感、不眠、

    手の震えといった離脱症状が現れる。

7・朝から飲酒するようになり、連続飲酒発作や山型飲酒が出現する。

     (山型飲酒とは・・・連続飲酒と飲めない時期が交互に出現する)

8・頻繁にブラックアウト(飲酒時の記憶の欠落)を経験する。

 

アルコール依存症の診断基準としては

・飲酒のコントロール喪失

 ・ 今日だけは、止めようと思っていても飲んでしまう。

  ・ 酔いつぶれるまで飲んでしまう。

・離脱症状

 

が、あげられるが、要は飲酒により社会生活、家庭生活、心身の健康に支障を

きたしていることが介入必要性の判断となる。

 

特に、鬱病が並存していることも少なくなく、

  自殺率が高い疾患としても留意する必要がある。

 

 

 

B)     日本のアルコール依存症の現状

先進国のアルコール消費量が、軒並み減少しているなかで、

日本だけは、増加の一途を辿っている。

酒席で商談取り引きをし、居酒屋で親密な人間関係を育むといった風潮が根強く、

職場のアルコール問題は深刻である。

近年、20代後半女性の飲酒率の上昇が目立ち、

女性のアルコール依存症にも注意が必要である。

自動販売機による酒類の販売、テレビや雑誌での酒類の広告に関しても、

欧米諸国に比べ規制が甘く女性や青少年への影響が指摘され

平成12年8月30日 年齢認証型以外の従来型の自動販売機を自主的に撤廃

することが始まった。

 

国際疾病分類第10版の診断基準に基づくアルコール依存症者の有病率は、

男性の1.9%、女性の0.1%、全体で0.9%と推定された

 2019年 5月時点でこの割合をもとにわが国のアルコール依存症者数を推計すると107万人であった。

 

 

C)     アルコール依存者への援助と治療

「アル中は一生酒をやめられない」と思われてきたが、

アルコール依存症は病気であり、回復が可能なことがわかってきた。

但し、依存症は「否認」の病気ともいわれ、飲酒によりさまざまな問題が

生じていても、本人はそれを なかなか認めようとしない。

そのため、職場では毅然とした対応が原則で、職場でかばったり大目に見ることは、受診を遅らせる結果にもなる。

 

また、家族やカウンセラーなど周囲の人がまず相談して、

対応方法などを勉強することが勧められる。

 

専門の相談機関としては、各都道府県にある精神保健福祉センター、

保健所・保健センターなどがあげられ、必要により

適当な医療相談施設を紹介してもらえる。

 

 

治療の実態としては、節酒ではなく断酒が原則となる。

精神症状をはじめ、離脱症状への対応、精神療法など、

精神科専門施設での入院治療が必要になることがほとんどである。

また、

抗酒剤が使用されることもあるが、あくまでも本人の断酒意欲が固まっていること

が大前提となる。

更に、退院後の断酒を支えるためには、家族や職場の協力は勿論、

断酒会やAA(Alcoholic Anonymous)といった自助グループへ参加が望まれる。

 

 

これらをクリアしても「職場復帰」という大きな課題があることを念頭に置いておく

必要がある。

 

健康上の問題があって休業している労働者の職場復帰で大切なのは、

1.通勤が安全に出来ること。

2.命じられた業務を遂行できること。

3.通勤や業務の負荷によって、健康上の問題が再度起こらないことである。

 

多くは 1 から始められ職場復帰を先延ばしにしていくことは問題で、

労働者の働く権利の侵害につながる可能性がある。

 

1が長期になればなるほど、アルコール依存症から立ち直った人間にとっては苛立ち

に変わり、「再飲酒」に繋がることを産業医、及び、それに代わるものは理解し、

2 の段階にステップアップさせるタイミングを見極めることが難しい事も事実である。

 

 

 

今回は「アルコール依存症」という病気そのものと、

私的な意見を混同させた内容でした。

非情に厄介な病気であると共に、職場復帰のタイミングもなかなか難しいことも

私自身が経験しております。

あまり、通勤の部分に注目され過ぎると

「何時になったら仕事が出来るんだ!」という苛立ちが出て来て、

最悪、再飲酒という「スリップ」に繋がります。

そんな、経験もありますので皆さんもその辺、御留意ください。

 

では、今日はこの辺で失礼します。

 

 

 

 

 

 

心を和らげる相談室 HEART  代表   杉野 茂広

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