あしたのジョー心理学概論~矢吹 丈 その心の病~ PART28 | 三重県でアルコール依存症をはじめとした悩み相談を受け付けております

ブログ

  1. 三重でアルコール依存症の相談をするなら【心を和らげる相談室 HEART】トップ
  2. ブログ
  3. あしたのジョー心理学概論~矢吹 丈 その心の病~ PART28

あしたのジョー心理学概論~矢吹 丈 その心の病~ PART28

2022年01月28日

 

各キャラクターの役割(段平編)

 

 

「母親」としての丹下段平 ― 不遇の共有

 

”丹下段平は、これまでに接してきた人間とは違っていた。

暴力団に囲まれたジョーが危機に陥った時、

自らのパンチでジョーを倒し、ジョーの体の上にかぶさり、

自分の肉体を犠牲にまでしてジョーを守り抜いた。”

 

 

このような、

段平のジョーに対する姿勢は、ジョーを献身的に包み込む「母親」の図である。

 

ジョーをひとりの人間として認め、愛される喜びを感じさせた初めての人物である

 

段平は、拳闘を通してモノを「与え―与えられる」関係にとどまらず、

有能で尊敬される人物としてジョーとの関係を作りあげ、

精神的側面から、社会化の働きかけをしていった。

 

学校に通った事のないジョーに

「人にものを教わって、今まで出来なかったことが、

出来るようになるなんて経験、はじめてさ。悪い気分じゃねぇな」

と、言わせ、学ぶことの楽しさと喜びを感じさせ、

社会化に必要な行動様式を取り入れる心を開いたのである。

 

ジョーがこれほどに段平の思惑通り成長した理由は、

段平と生活を共にし、指導を受けている間に、

段平の実力と自分に対する深い愛情と情熱を感じたこと、

社会から疎外されたという共通の境遇におかれた人間として

共感を覚えたことが考えられる。

 

 

 

カウンセリングにおいても、

信頼関係の構築と、相手への共感は必要不可欠なものでもある。

 

 

 

「猿まわしが、猿に芸を仕込むつもりで、俺にボクシングを教えようとした」

と、家庭裁判所で怒鳴って段平の接近を疑い拒んだジョーが、

少年院を退所した後、

「拳キチの言った汗と涙で橋を逆に渡るってやつ、なんか、

  実感としてやっていけそうな気がしてきたよ」

 と、マンモス西に話すまでになったのであるから。

 

金との対戦を前に減量に苦しむジョーを見て体重計を狂わせる行為は、

 

段平の母の保護と独占の感情がさせたのである。

 

 

 

 

今回は「丹下段平」という人物を軸に話をさせて頂きました。

次回は。「力石 徹編」です。

 

ありがとうございました。

 

 

 

心を和らげる相談室 HEART   代表  杉野 茂広

 

PAGE BACK

ページの先頭へ

メールで今すぐ相談する