2021年12月11日
境界性パーソナリティー障害とジョーの関係、現代の子供達と通じる部分
境界性パーソナリティー障害
現代社会の申し子と言える程、その数は年々増加傾向にあります。
その人格は、衝動性と不安定性、依存と攻撃の揺れ動くパターン、
安定した豊かな人間関係を築けない、自己破壊衝動がある。・・・などを中心的特徴としている。
以上の事を踏まえ、最近起こった京王線での凄惨な事件に
「列車内でタバコを吸い、注意した人物を刺し列車内で放火する事件があった」
それに、倣うかのように、相次いで列車でのトラブルが報じられた。
先ず、列車内での喫煙はNG
注意した人物を刺す NG
列車を放火 NG
逃げ惑う人を更に切り付け堂々としている。
わざと、注意される事を計算に入れており「注意する人なら誰でも良かったのでしょう」
これを「動機付け」と言います、注意が行動する為の動機になっているので「犯行におよんだ。」
では、誰も注意しなかった場合どうでしょう?
考えられるのは、衝動性・攻撃性・自己破壊衝動がある点から見れば、
「誰かに、因縁を付けて自分から動機付けを実行したであろうと考えるのが自然です」
被害に遭われた方、お悔やみ申し上げます。
この事件の加害者は、バットマンの有名悪役「ジョーカー」に成りたかったと言う、通常では考えられない発言をしている。
精々、「コスプレ」程度にしておけば良いものを。
行動、つまりは「反社会的な部分と衝動性、攻撃性、など、アナーキーな部分を、映画『ジョーカー』から得てしまったのであろう」
しかし、言いたい。
精神や思想を真似たのは「映画 ジョーカー」で、犯人の格好はクリストファー・ノーラン監督のバットマン3部作の一作目の「ジョーカー」の格好そのものである。
映画「ジョーカー」と三部作での「ジョーカー」は同じジョーカーでも残酷・残忍性が異なる。
思想・行動と犯行当時の格好からして、判断出来るのはバットマンでのジョーカーを、
前途した2作品は見ていると考えられる。
つまりは「ハロウィン」「仮装」「日常の不満」「アナーキー思想」「アンチヒーローへの固着」が相まってこの事件が起きたのではないだろうか?
元々の性格が分からないので「単なる考察の域でしかない」と付け加えておきます。
このような人格の病が目立つようになってきたことを、現代社会の特徴と関連付けして論じる研究者も多い。
現代の社会では価値観が多様化、希薄化し、人間同士の結びつきも流動的で不安定であり
あふれる情報も不確かな情報が多く、それで不全間、不安感、孤独感を抱きやすい状態にある。
そんな中、家庭内暴力や校内暴力、いじめなど少年少女達を取り巻く理不尽な社会問題が背景ともなっている。
時代の流れとは言えども
私の恩師も、この事については、大変嘆いていた事を思い出します。
このような現代社会の特徴が境界性パーソナリティー障害の概念と一致しているとも言える。
そう考えるとジョーが親に捨てられ満足な愛情を受けずに成長し社会の中で孤立していって
自己中心的な生き方をするようになったのは現代社会の一つの病理現象の表れであると言えなくもない。
それは、環境にも起因するが、前途した京王線のジョーカーも同じではなかろうか?
ジョーが段平と出会いボクサーとして成功していったのは全くの偶然の幸運よるものだとも言える、だが、それも決してジョーの社会的更生に役立った訳でなく、寧ろボクサー生活の中でジョーの人格はより病理性を増していったのではないだろうか?
そしてそれは、ボクシングの中に残虐性を求める大衆の好みと一致し、ジョーは人気者となるが
ジョーの不安定さ心理的葛藤の奥深さ、衝動性、自己破壊衝動のどれもが大衆の求める魅力の一部となっていったのではないのでは? と考える。
次回「心の中に、優しさと残酷さが共存」
心を和らげる相談室 HEART 代表 杉野茂広
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