2021年12月05日
この漫画には、複数の登場人物が出てくるが、とりわけ重要な人物と言えばやはり主人公の「矢吹 丈」
・「丹下 段平」・「力石 徹」・「白木 葉子」である。
この本には、全員が「性格や人格に問題がある」とされています。
ジョーを取り巻く3人と関わる事でジョーの精神バランスは一層乱れ「自己破壊的行動」が益々、目立つようになる。と記載されいる。(以降、記載されているは省略)
では、自己破壊的行動とは、何であろう?
人間には生の本能・死の本能が併存し両者の調和的なバランスが破られて「死の本能」が勝てば自己破壊的行動と言う病理的表現となる。
ジョーに一番近い人物として「コーチ兼トレーナーの丹下 段平」の存在は傷害事件を起こしボクシング界を追放されたがジョーの才能をいち早く見出した人物でもある。
「兄ちゃん、金、貸してくれねぁか?」とジョーに絡み、殴られたのがきっかけである。
元々、ジョーを更生させるつもりでボクシングに誘ったのではなく「一攫千金」狙いの下心からジョーをボクサーにしようと考えてた。
ジョーがドヤ街の子供達と廃墟のビルに立てこもり段平が説得に出向き、一発で叩きのめすシーンは流石ボクサー崩れだと感心した記憶がある。
その後、警察の取り調べ中に署内で大暴れし精神鑑定を受けるジョー。
その後、鑑別所行きが決まり「心理テスト」で刺激語を投げかけられる。
刺激語とは・・・
連想法で使われる一定の言葉であり、文章完成法の「お題」に使われる言葉でもある。
その心理テストで「両親」という刺激語に対し「無責任」と極めて個人的な反応を示している。
この時の心理カウンセラーはジョーを「残忍で非情で冷酷で利己的でまるで乾ききった砂漠」と表現している。
ジョーは早くに両親から捨てられ孤児院で育ったと言う以外は、ほとんど漫画でも触れられていない。
天涯孤独の身でありながらボクサーとして有名になり世界タイトルマッチに出るほど有名になっても両親はおろか、親類と名乗り出る者も居なかった。
次に「白木 葉子」 白木財閥の一人娘で祖父が「白木ボクシングジム」を経営しておりボクシングの世界に関わるようになった。
葉子は少年院の慰問で劇団を率いてジョーの居る少年院を慰問するが、劇団の中にジョーに合いたいが故に役をもらった段平がムチで打たれるシーンがある。
だた、唯一、心を開きかけていた人物である段平を見てジョーが激怒する。「慰問はお前の自己満足のためだろう!」と言われショックを受けるがその時にジョーを制止したのが「力石 徹」である。
それを機に葉子はジョーと力石の試合を企てるのである。
「力石 徹」も普通ではない。
力石は将来有望な選手であったが、試合での客の汚いヤジにカッとなって、その客に瀕死の重傷を負わせ無期限停止処分を受けるも、その後も非行を続け少年院に送られた身でもあった。
ジョーと力石は少年院で出会いジョーのライバルとなったのである。
現実問題、最後は対決する二人だが、ジョーと力石では階級が違う、力石は2階級上のフェザー級、ジョーはバンタム級、力石が二階級も減量するなど無謀なのである。
三人に共通しているのは「暴力性・自己中心性・執着生・反社会性」である
それ以外に際立っているのが粘着性である。
1ファンとして、ここまで深堀りしている事には驚いた。
以上が、本の見立てであるが私は異論が残る。
皆さんは、どの様に受け止めましたか?
また、続きを計画しておりますので良かったら見てください。
心を和らげる相談室 代表 杉野 茂広
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