2020年07月29日
前回も「郵便外務員のメンタル不調が多い」内容にノルマやパワハラの存在が多い事は書かせて頂きました。
先週ですね。「精神科のドクターから連絡があったのは・・・」
「杉野さん、最近、郵便局員さんの外来が物凄く多いのですが、郵便局で何かありました? 患者さんの半数とは言い過ぎになりますが、それくらい多いのが気になって・・・」と連絡がありました。
正式には、もう退職しているので現場を見ていないので何とも言えない部分はある。しかし、私のもとに来るクライアントの言葉で凡その判断は付きます。
さて、ここで 不思議な事に気付かれた方も多いはずです。
なぜ、現役の精神科医が私の意見を聴こうと考えたのでしょう?
精神科医、カウンセラーが全て万能ではありません。
精神科医でも、カウンセラーにも分からない部分があるのです。
それは、「専門用語」です。
精神科医、整形外科のDrに、どういう経緯でどうなった、どう感じたと説明しても「専門用語が解っていないから、想像でしかないのです」
プロフィールにも書いてあると思いますが、私自身「元 郵便外務員です」
そして、腰椎椎間板ヘルニアの手術を2度しています。
その時の会話を少し再現させていただきますね。
D=Dr S=私 とします。
D: 杉野さん、手術の結果と今後の経過観察次第で「郵便外務としてバイクに乗る事を禁止させてもらうかも知れません」
S:マジか? なんで? そんなに酷いの?
D:いいえ、今の状態は良好で手術も成功してます、ただ、今後の将来を長い目で見るとバイクを運転することに賛成は出来ません。
S:短時間ならいいの?
D:年齢的に考えれば、それも、お勧め出来ません。
次に手術となると背骨をボルトと鉄板で固定する方法しか無くなります。
まだ、若いので「そこまでの手術はしてないですが、仮に杉野さんが、もう定年間近の年齢であれば、固定していました。」
S:じゃあ、外務員辞めろって事ですか?
D:出来れば内勤に職場を変えられる事を勧めます。しかし、重量物は持たないでください。
S:先生、それは無理です。内勤になっても中元、歳暮の時期がくれば嫌でも重いものは持たなくちゃならない、俺だけが「重いもの持てません、なんて言ってられる状況じゃないのよ!」
D:では、なるべく腰に負担の掛からない仕事に変えてもらってください。
S:あのな、先生、郵便局の中での仕事見た事ある? そんな、都合の良い居場所なんてねーよ!
D:切手を売る仕事とかあるじゃないですか。
S:今時、切手だけ売ってる郵便局なんてねーよ!タバコ屋のおばちゃんでも、タバコや駄菓子、切手、はがき売ってんのに、もっと、医者以外の職業の事も勉強せーよ!
と、言い放った事は、今でも忘れられません。
この時点でも解りますよね? 郵便局がどんな仕事を分担してどの様な商品を扱って要るのか分かっていないのです。
郵便外務員は、「郵便を配っているだけ」と捉えてたそうです。営業や出発前の段取りなども医者からは抜けているのです。出発前に「順立て」と言う作業もありますが、説明すらするのが馬鹿馬鹿しくなりました。
この様に、職場環境を全て熟知するなんて無理なのです。
ましてや「専門用語」なんて通用しないのです。それは、どの職業でもそうでしょう。
相手が知っていると思って話しかけていても、全く伝わっていない場合が多いのです。
家庭内で、仕事の愚痴を言っても、家族の誰にも理解してもらえない感じと同じです。
ですが、カウンセラーはクライアントと時間を共有します、ですから解らない部分は教えて頂けると凄く有難いですし、勉強にもなります。
カウンセラーは、クライアントから学ぶ事も多くあるのです。
私を頼って来た精神科医は、どの様な気持ちで聴いてきたのでしょうね?
恐らく、Drと言うプライドは捨てて何らかの情報が欲しかったのでしょう。 そんな、プライドを捨てられるDrこそ、本物と私は思います。そして、明日にお会いする約束があります。
では、皆さま、コロナ禍第二波が本格的になってきましたが、お身体には十分ご配慮くださいませ。
心を和らげる相談室 代表 杉野 茂広
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