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事例) Oさんの場合   見立て【過呼吸症候群orパニック障害】

2020年02月07日

Oさんの場合

脚を骨折し引きこもりがちであったが、自身の時々現れる息苦しさに悩んで(元々、若干 不整脈あり)自己判断で不整脈を治す為に手術を受けたが改善されなかった。

Oさんは、小学生からの同級生でもあり共通の同級生に一度診てやってくれと頼まれ訪問。

骨折、不整脈の手術を受けた事は、共通の同級生から聞きました。

 

どの様な時に「息苦しさを感じるのか?」なぜ、「行動する気力がないのか?」

Oさんは、「いつ、どこで息苦しくなるのか分からないので外に出るのも怖いし、気絶しそうになる事もある」と言われました。

では、どのような時にどの様な場所で「息苦しくなるのか?」を掘り下げてみました。

 

まず、疑ったのは「広場恐怖症」でした。(しかし、話を掘り下げていくうちに違うと確信しました。)

理由は、その発作は家の中、車の中で起きる事が殆どだと聞いて狭い空間での事象、しかし、「家のトイレでは発作が出ない」=ここに着目して=広場恐怖症、閉所恐怖症を疑ったのですが見当違いでした。

 

どんな時に起きるの?=いつ起こるか分からんけど、おかしくなる前には何となくわかる。

身体に異常が出るのは「息苦しいだけ?」=手がしびれて来たり、足に力が入らん時もあるし、酷いと意識が遠くなっていくのを感じる。

この辺りで「ん!」と思う病名があがりました。

 

実は私も結婚前に似た症状が出て会社の正門前で足に力が入らず歩けなくなった、そして後輩に負ぶってもらい社内の診療所へ運ばれた経緯もあり

、血圧も190を超え、めまいも起こり、近くに誰か居ないと「このまま死ぬのではないか?」と感じ救急搬送で入院を余儀なくされた経験があります。

ですが、総合病院での検査の結果は異常なし。・・・・なんで?と思いセカンドオピニオンで沢山の病院で診察を受けるも異常なし。

それでも、昼夜問わず「症状は酷くなるばかり」、救急搬送される事が多くなったことを思い出しました。

最終的には、救急搬送された時の当直医さんが「血中の二酸化炭素を測らせて?」と言われたので病名は確信あるものに変わっていきました。

対応策も教えて頂き「発作が起きた時はペーパーバック」(今では、危険とされていていますが一番有効で即効性のある対処法と思っています)

病名と対処法さえ解かればこっちのもの。 

それからは、発作の頻度はどんどん減り、今では全く現れておりません。

Oさんの話に戻しましょう。

 

では、季節、四季を通して発作が出る率が多いのはいつ? と尋ねると「圧倒的に冬」と答えたのです。

そして、発作の起きる場所で一番頻度の高い場所を聞いた時にOさんは「風呂」と答えたのです。

 

ここで、私は、大まかな見立てをたてる事ができました。

 

冬場の風呂に存在するもの=湯気です。

そして、Oさんに「お前、ひょっとして湯気は空気じゃないとか思ってない?」と聞いてみました。

普通の人なら湯気の中に酸素はあると考えるでしょうが、「彼は違ったのです」=「湯気は空気とちがうやろ!」と答えました。

 

私の見立ては「過呼吸症候群」もしくは「パニック障害」

理由は、湯気の中に酸素が無いと思いこみ呼吸が無意識に速くなった結果、体内の血液が酸性からアルカリ性に傾くことによって血管の収縮が起き、手足のしびれ、筋肉の痙攣や収縮も起き「自分はこのまま死んでいくのではないか?」と言う感覚を体感したのではないか。・・・と。

この経験によって、Oさんは「また発作が起きたらどうしよう?」「なんで、こんな事がおこるのか?」と不安になり、その恐怖から更にストレスを抱えてしまい、結果的にその症状が悪化し悪循環状態になったと考えられました。

 

Oさんの家にお邪魔したのが夏場でしたから「今は発作、出ないやろ?」と聞くと「はい」の返事。

「なんで、はい。やねん同級生なんやでタメ口でエエんやわ」=(コミュニケーションを獲得しにいっている。)

 

考えられるのは、長い間、脚の骨折が完治せず3度も同じ手術を繰り返していたのでは「気分も滅入るし、ストレスも溜まります」

そこに湯気が空気=酸素ではないという認識不足も手伝って発作が生じたのではないかと見立てました。

 

カウンセラーは「病名を付けられません、薬の処方も出来ません」よって、医師に診断を仰ぐ形となります。

 

このことを、Oさんに伝え。 

 

「恐らく、不整脈が原因じゃあないよ。 ちょっと、心が疲れてるかな。 俺、明日、病院は行くけど一緒に行くか?」と伝えたところ「行く」との返事だったので一緒に行きました。

Drには、先に私からある程度説明をしておいて、Oさんを受診して頂きました。

 

結果、Dr曰く「過呼吸、パニックでも間違いないけど、僕はパニックと診断したから」と連絡頂き、見立ての合致に安堵しました。

Drには、「アルコール依存症者からカウンセラーか?、よく頑張れたな、見立ても良いから自信をもっていいぞ」と励ましの言葉も頂戴しました。

 

その後、「ついでに、言うけど・・・酒、辞めてなかったら今のお前はもう居ない、死んでたぞ!」ともいわれました。(ごもっとも)

 

そんな私の事より、Oさんなのですが、それ以来定期的に通院し、「息苦しい原因も解り発作時の対処法も教わったので安心してリハビリに励み、A型就労支援事業所で自信をもたせ、約、一年後には一般企業で交代勤務までする様になられました」

 

私の顔を見る度に「ありがとう」と言ってくれますが、それはOさんが勇気を出して病院へ行き、A型就労支援で自信をつけ、自ら一般企業へ歩みを進めた事が大切な事であって。

私は、Oさんの歩む道を寄り添って歩いただけ「褒めるんなら、自分を褒めておけ」といつも言っております。

              

今回は同級生でしたので「口の利き方がなってない!」 と思われる方も居られると思います。

同級生と言う事もあり、早急に信頼関係を回復、構築する為に、この様な対応をさせて頂きました。

 

先ずは、一例まで。

 

心を和らげる相談室 HAERT

 

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